アベル・タスマンを子連れで歩く ― バークベイからアンカレッジへ、水上タクシーの使い方(NZ準備)

🧭 これは 2026年12月 からのオセアニア大陸の旅に向けた、準備の記録です。同じ旅の記事を見る →

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結論:船で行って、歩いて戻る

ニュージーランド南島、アベル・タスマン国立公園。黄金色の砂浜とエメラルドグリーンの海が続く「アベル・タスマン・コースト・トラック」は、全部歩くと5日間のグレート・ウォークです。

私たちが歩くのは、そのうちの1日ぶん。行きたいのはアンカレッジとバークベイのあいだの区間です。

ここで大事なのが向きでした。

・歩いてから船で戻る … アンカレッジ → バークベイ

船で行って歩いて戻る … バークベイ → アンカレッジ

同じ道でも、後者のほうが良さそうです。朝いちばんの水上タクシーでバークベイまで運んでもらい、そこから歩いてアンカレッジへ戻る。一日の終わりに、いちばん美しいアンカレッジのビーチへ降りていくことになります。歩き疲れた子どもたちにとっても、ゴールが砂浜と海というのは大きいはずです。

Google Earthで見た、バークベイからアンカレッジまで。右上がバークベイ、左下がアンカレッジ。中央の砂色に見えるところがトレント・ベイの干潟(画像:Google Earth)
Google Earthで見た、バークベイからアンカレッジまで。右上がバークベイ、左下がアンカレッジ。中央の砂色に見えるところがトレント・ベイの干潟(画像:Google Earth)

干潮なら3時間、満潮なら4時間

この区間は、通る時間帯によって距離も時間も変わります

アンカレッジ ↔ バークベイ距離歩く時間
干潮のとき
トレント・ベイの干潟を横切る
8.4km3時間
満潮のとき
湾をぐるりと回る道
11.5km4時間

DOC(ニュージーランド保全省)公式の数字。「干潮の前後2時間ずつなら渡れる(通常の状況で)」とされています。

3.1km・1時間ちがいます。 3歳と5歳を連れて歩くことを考えると、この差は決定的です。

渡るのは海そのものではなく、トレント・ベイ(Torrent Bay)の河口の干潟。潮が引いているあいだだけ、湾を突っ切って歩けます。渡れないタイミングなら、湾をぐるりと回る「all-tide track(いつでも歩ける道)」を使うことになり、そのぶん遠回りになります。

つまり、この日は潮見表から予定を組むということです。歩き出す時刻を先に決めるのではなく、干潮の時刻から逆算して、水上タクシーの便を選ぶ。

(遠回りの道もわるいことばかりではなく、クレオパトラ・プールへ寄れるのはこちらの道だそうです。)

コースの中身

DOCの説明を、歩く順(バークベイ発)とは逆のアンカレッジ発で書くとこうなります。

低い尾根を越えてトレント・ベイの河口域へ。干潟を渡るか、遠回りして岬へ上るか。トレント・ベイの北端で急な坂を上り、谷を2つ過ぎると、入り江を渡る47mの吊り橋が現れます。そのあとは海沿いの森を通って、また海辺へ下りていく。バークベイの小屋は、河口のすぐそばです。

バークベイからアンカレッジまでの地形図。赤い線がコースト・トラック(画像:DOC ニュージーランド保全省)
バークベイからアンカレッジまでの地形図。赤い線がコースト・トラック(画像:DOC ニュージーランド保全省)
アベル・タスマン・コースト・トラック全体の標高と、小屋・キャンプ場の位置(Day1〜Day5)。私たちが歩くのはDay2の区間(画像:DOC ニュージーランド保全省)
アベル・タスマン・コースト・トラック全体の標高と、小屋・キャンプ場の位置(Day1〜Day5)。私たちが歩くのはDay2の区間(画像:DOC ニュージーランド保全省)

全体の標高を見ると、この道は海辺まで下りては、また尾根を越えるのくり返しだと分かります。いちばん高いところでも80mほど。急峻ではないけれど、平坦でもない。ここが「フッカー・バレー(ほぼ平坦)」との大きな違いです。

子連れなら、どこまで短くするか

12月の私たちは、サクが5歳、ハルが3歳。3案を並べて考えています。

  • 案① バークベイ → アンカレッジを歩く
    干潮に合わせれば3時間・8.4km。しっかり歩く一日
  • 案② アンカレッジ周辺を歩く+水上タクシー
    2〜3時間に調整できる。アンカレッジで降りて、まわりを歩いて、また船で戻る
  • 案③ マラハウ → アンカレッジを船で、あとは周辺の散策
    いちばんラク。「アベル・タスマンの海」だけをしっかり味わう

いまの気持ちは案①、ただし干潮に合わせられたら。満潮しか選べない日程になったら、迷わず案②に下げます。4時間・11.5kmは、3歳には長すぎます。

案③も逃げではありません。この公園のいちばんの魅力は、船から見る海の色だという話もよく聞きます。歩くことが目的ではなく、家族があの海を見ることが目的なので。

水上タクシーの乗り方

発着できる場所アップルツリー・ベイ/アンカレッジ/メドランズ・ベイ/バークベイ/トンガ・クオリー/オネタフチ/アワロア/トタラヌイ
運航の範囲マラハウ・カイテリテリ ⇔ トタラヌイ(それより北のワイヌイなどへは行きません)
出発地マラハウ(コースト・トラックの起点。カイテリテリ発の便もあります)
乗り方陸の上でトラクターに牽かれた船に乗り込み、そのままトラクターごと海へ入って出航します
予約事前予約。おもな会社は Abel Tasman Aqua Taxi/Abel Tasman Sea Shuttles/Marahau Water Taxis

アンカレッジもバークベイも、桟橋ではなく砂浜で乗り降りします。だから潮の高さで、船をつける場所や時刻が変わります。

何時から何時まで、何本くらい?

「1時間に1本」ほどの頻度はありません。朝9時台から夕方まで、1日4便というのが実際のところです。ウィルソンズ社のハイシーズン(11月1日〜3月31日)の時刻表を例にすると、こうなります。

行き(北へ)帰り(南へ)
カイテリテリ 発9:00/10:30/13:10/15:45
アンカレッジ9:45/11:15/13:50 着11:55/13:40/14:50/15:50/16:55 発
バークベイ10:00/11:30/14:05/16:45 着11:35/13:20/14:30/15:30/16:45 発

ウィルソンズ社のハイシーズン時刻表(2026年8月時点)。カイテリテリ発の便で、12月25日は10:30と15:45が運休。マラハウ発の会社は別の時刻表です。

間隔は1時間半〜2時間半。「乗り遅れたら次は2時間後」という世界なので、歩く速さの見積もりは余裕をもたせたほうがよさそうです。

この時刻表で私たちの案①を組むと、こうなります。

10:00 バークベイ着(9:00発の便)

・歩く。干潮に当たれば3時間、満潮なら4時間

13:40 / 14:50 / 15:50 / 16:55 のどれかでアンカレッジ発

大人の足で3時間なら13時台に着きますが、3歳と5歳を連れて写真を撮りながらでは、その通りにはいかないはずです。14:50か15:50を押さえておいて、早く着いたら浜で遊ぶ。これが現実的な組み立てだと思っています。

行きも帰りも、予約がいる

はい、両方とも予約です。ウィルソンズ社の時刻表にはこう書かれています。

> Bookings are essential to ensure you are picked up at the beach of your choice.

> (希望のビーチで確実に拾ってもらうために、予約が必須です)

路線バスのように「来た船に乗る」わけではありません。降りる場所と時刻、拾ってもらう場所と時刻を、先に決めて押さえる。これが水上タクシーの使い方でした。

裏を返せば、帰りの時刻を予約した時点で、その日の歩くペースが決まるということです。だから干潮の時刻を先に調べて、そこから逆算する必要があります。

私たちの組み立てはこうなります。

・朝、マラハウから船に乗る

バークベイで降ろしてもらう

・歩いてアンカレッジへ(干潮なら3時間)

アンカレッジで拾ってもらい、船でマラハウへ戻る

つまり「バークベイからどうやって帰るのか」という問いには、バークベイからは帰らない、が答えでした。帰るのはアンカレッジからです。逆向きに歩く場合は、バークベイで拾ってもらう便を予約することになります。

マラハウの駐車場

レンタカーで行くので、車をどこに置くかも決めておく必要があります。

DOCの駐車場がマラハウにあります。ただしDOC公式に「車はご自身の責任で駐車してください(Cars are parked at your own risk)」と明記されています。ゲートやカメラで守られた駐車場ではありません。

水上タクシーやカヤックの会社は、利用者向けの専用駐車場を持っています(DOC公式)。船を予約するとき、駐車場も一緒に頼めるか確認するのがよさそうです。

・マラハウのアベル・タスマン・センターにも、利用者用の無料駐車場があります。

日帰りとはいえ、丸一日、車は無人になります。貴重品は車に残さない。これは地域を問わず基本ですが、ここは特に「自己責任」と明記されている場所なので、意識しておきます。

(隣のカイテリテリから乗る場合は事情が違い、12月18日〜2月9日の繁忙期は1日10ドルの駐車料金がかかります。夏場は駐車場所を探すのに30分ほどかかることもあるそうです。私たちが行くのは12月なので、この時期にあたります。)

参考にした動画

同じ区間(バークベイ → アンカレッジ)を歩いた方の動画です。道の様子、吊り橋、干潟のあたりが実際に見られて、いちばん参考になりました。

出発前に確かめること

この記事の数字は、DOC公式と各社サイトで2026年8月に確認したものです。ただし現地で変わるものも多いので、直前にもう一度確かめる項目を残しておきます。

  • その日の干潮時刻(これが決まらないと予定が組めない)
  • 水上タクシーの当日の時刻表と、バークベイ・アンカレッジそれぞれの発着時刻
  • 料金と、子どもの扱い(年齢での区分)
  • チェックインの時刻と場所
  • 車をどこに置くか(船の会社の駐車場が使えるか)
  • 荒天時の運休・変更の連絡方法
  • 国立公園の入園にかかる手続き(グレート・ウォークの区間を歩く場合)

アベル・タスマン・コースト・トラック(DOC 公式)

行きたい場所の全体像は、こちらにまとめています。

ニュージーランド、絶対に行きたい場所リスト

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