子連れNZ47日、保険はカードで足りる? ― 大人はカード2枚“合算”で治療450万(NZ準備)

🧭 これは 2026年12月 からのオセアニア大陸の旅に向けた、準備の記録です。同じ旅の記事を見る →

カテゴリー・アーカイブ

まえがき

じつは我が家、これまで数えきれないほど旅をしてきましたが、旅行保険に入ったことは一度もありませんでした。夫婦そろって、調べたことすらなかったんです。

でも、子どもがいるとそうはいきません。しかも今回は47日間の長旅。「さすがに、今回は入っておこう」。そう思ったのが、保険を調べはじめたきっかけでした。

まず整理したのが、すでに持っている2枚のクレジットカード。この2枚で、家族はどこまで守られるのか。結論から言うと、大人は“合算”でかなり手厚く、子どもは治療費は思ったより手厚いけれど「搬送」が弱い、ということがわかりました。順に見ていきます。

結論:大人は「カード2枚の合算」で、保険だけでもいけそう

まずは結論

  • 大人(本人)は、傷害・疾病の治療費用が合算で最大450万円(300万+150万)
  • 救援者費用は合算で最大600万円/死亡・後遺障害は最高5,000万円
  • 妻(家族カード)も、本会員と同じ補償
  • ただし発動には「利用付帯」の条件あり(後述)
  • 子どもも家族特約で治療・救援が各合算約250万円。念のため民間も調べたが、確率と保険料(子ども2人で約7万円)を天秤にかけ、我が家はカード付帯だけで行く予定

我が家のカードは、Oliveプラチナプリファードと、ANA VISAゴールドの2枚です。

父・母・子、それぞれいくら守られる?(合算後)

この2枚を“合算”すると、家族それぞれ、ここまで守られます。医療でいちばん大事な「治療費」「救援者費用(搬送など)」「死亡・後遺」で並べました。

対象(合算後)傷害・疾病治療費用救援者費用死亡・後遺障害
父(本会員・2枚)各450万円600万円最高5,000万円
母(家族会員)各450万円600万円最高5,000万円
子(家族特約・2枚)各250万円250万円1,000万円

母は、両カードの家族カードを持つ前提(家族会員は本会員と同じ補償)。子の救援は Olive PP 200万円+ANA 50万円=250万円。賠償責任・携行品損害も合算され、子の賠償は合算3,000万円になります。

内訳:カード1枚ずつの補償額

上の“合算”の元になっている、カード1枚ずつの補償額はこちらです。

補償項目(本会員)Olive プラチナプリファードANA VISA ゴールド
傷害死亡・後遺障害最高5,000万円最高5,000万円
傷害治療費用300万円150万円
疾病治療費用300万円150万円
賠償責任5,000万円3,000万円
携行品損害(免責3千)50万円50万円
救援者費用500万円100万円
付帯条件利用付帯利用付帯

補償額は各カードの公式ページ・保険のしおりでご確認ください(Oliveプラチナプリファード 公式ANAカードの付帯保険 公式)。

疑問①:「治療費が合算されて450万」って、本当?

ここがいちばん驚くところ。答えは本当です。

クレジットカードを複数枚持っている場合、三井住友カードの公式には、こう書かれています。

死亡・後遺障害保険金は「最も高いカード1枚」の金額まで。それ以外(治療費用・救援者費用など)は「合算」される。
― 三井住友カード公式より(要約)

つまり、死亡・後遺は“いちばん高い1枚だけ”ですが、治療費用・救援者費用・賠償・携行品は、2枚を足し合わせられる。だから我が家の大人本人は、傷害/疾病の治療費用が「300万+150万=450万円」、救援者費用が「500万+100万=600万円」まで使えることになります。

しかも引受は三井住友海上火災保険で、提携病院でのキャッシュレス診療にも対応。現地で大金を立て替えなくていいのは、子連れには本当に安心です。

三井住友カード 公式(お支払いする保険金)

疑問②:妻は「家族カード」。同じ補償になるの?

これも、本当に同じ補償です。公式に「家族会員は本会員と同じ補償が適用される」と明記されています。だから妻がOlive・ANAそれぞれの家族カードを持っていれば、妻自身も同じように“合算”で守られます。

三井住友カード 公式(旅行安心プラン)

疑問③:黙っていても効くの? ―「利用付帯」に注意

ここは要注意。我が家の2枚は、どちらも「利用付帯」。つまり、出国前後に、公共交通機関の運賃やツアー代金を“そのカードで”支払っていないと、保険が発動しません(自動では効かない)。

合算をしっかり効かせたいなら、出国前の電車代・空港までの交通費などを、2枚に分けて決済しておくのがコツです。

発動させるための、我が家の対策リスト

利用付帯は「条件を満たさないと1円も出ない」ので、ここは確実に。まず、対象になる決済はこの2つ“だけ”です(各カードの保険のしおりより)。

① 日本出国前に、航空機・電車・船舶・タクシー・バスといった「公共交通乗用具の利用代金」を、そのカードで決済
② 日本出国前に、「募集型企画旅行(パッケージツアー)の旅行代金」を、そのカードで決済
― 各カードの保険のしおり(利用付帯の条件)より

これを踏まえた、我が家の対策:

・出発当日、自宅→空港の交通費(電車・バス・タクシー)を、対象カードで決済(いちばん簡単で確実)

・合算を効かせるため、2枚に分けて決済

・かならず「クレジット決済」で(Oliveのポイント払い・コード決済は対象外になりがち)

・利用明細・レシートを保管(請求時に「条件を満たした証明」が要ることがある)

・旅程表にメモ(出発当日はバタバタで忘れやすい)

よくある疑問 ― 利用付帯(公式条件で確認)

◆ 子どもぶんも決済が必要? → はい、必要です。子どもは「家族特約」で守られますが、その条件は『家族特約の対象者(=子ども)が乗車する公共交通の利用代金/対象者が参加するツアー代金を、そのカードで決済』。大人の分だけ払っても、子どもは発動しません。子どもの切符・運賃も、そのカードで決済を。

◆ 出国後に払っても効く? → 効きません。条件は『日本出国前に決済』と明記されています。現地で払っても、その旅行の保険は発動しないので、必ず出国前に。

◆ ホテルの予約・決済でもOK? → いいえ、ホテル単体は対象外です。対象は「公共交通費」か「パッケージツアー(募集型企画旅行)代金」だけ。ホテル・レンタカー・現地オプショナルツアーの決済では、条件を満たしません(旅行会社のパッケージツアーなら、その代金が対象になります)。

◆ 家族4人でタクシーに乗り、1人が代表で払ったら? → 全員カバーされると考えられます。タクシーの運賃は“1台単位”なので、家族が乗ったタクシー代を対象カードで払えば、乗車した全員(大人=本会員/子ども=家族特約)が「自分が乗った交通の利用代金を決済」を満たします。※解釈が絡むので、確実にしたいなら乗車前にカード会社(VJ保険デスク)へ一言確認を。

◆ 幼児は電車代が無料。どうすればいい? → 電車の運賃決済では、無料の幼児は条件を満たせません(払う運賃がゼロのため)。タクシー・バスなど“車両単位”の運賃を幼児も乗せて決済するか、幼児も含むパッケージツアー代金を決済すればOK。※無料の幼児はエッジケースなので、ここは特にカード会社へ確認を。

(出典:各カードの保険のしおり/三井住友カード 利用条件改定のお知らせたびとも・利用付帯の適用条件を事例で解説

(※クレジットカードの海外旅行保険は、近年この「利用付帯」への改定が進んでいます)

三井住友カード 公式(利用条件改定のお知らせ)

疑問④:47日間の長旅でも、期間は大丈夫?

クレジットカードの海外旅行保険は、多くが「1回の旅行につき最長90日間」まで。47日間なら、期間の面はクリアできます(各カードの条件は要確認)。

子どもは? ― 家族特約で「治療250万円」、思ったより手厚い

調べてみて意外だったのが、子どもの治療費の手厚さ。

子どもは各カードの「家族特約」でカバーされます。Oliveプラチナプリファードの家族特約は治療費用200万円、ANAゴールドの家族特約は50万円。治療費は合算できるので、子どもの治療費は合わせて約250万円まで(本会員より低いですが、思ったよりしっかり)。「子どもは50万円だけ」と思い込んでいたので、これはうれしい誤算でした。

ただし、弱点もはっきりしています。それが次の「救援者費用」です。

見落としがちな「救援者費用」=親の渡航・滞在・搬送のお金

保険というと治療費に目がいきますが、子連れでもうひとつ大事なのが「救援者費用」。これは、こんなお金をカバーしてくれます(ANA公式より)。

・救援者(親など親族)が現地へ駆けつける航空運賃(3名まで)

・現地のホテル代(3名まで・1名につき14日まで)

・患者(子ども)を医療スタッフ付きで運ぶ「医療搬送」の費用

・(万一の)遺体処理・捜索救助 など

発動するのは、子どもが「7日以上の継続入院」「死亡」「遭難」などのとき。数日で治る入院では出ませんが、その分、費用も小さくてすみます。

今回は家族そろって行くので「日本から駆けつける渡航費」の出番はありません。でも、子どもが長く入院して付き添いで延泊する、あるいは医療搬送で日本へ運ぶ、となると費用は数百万円に届くことも。とくに医療搬送はケタが違います。

救援者費用も「合算」できます(合算されないのは死亡・後遺障害だけ、と公式に明記)。子どもの救援は合算で約250万円。医療搬送はこれを超えることもあるので、念のため、民間で上乗せできないか調べてみました。

子どもの上乗せは、民間で ― 実際に見積もってみた

子どもの弱点は「搬送費用(救援者費用)」。そこだけを、掛け捨ての民間保険で上乗せできないか。大人はカードでOKなので、入るとしても子どもだけ。実際に各社で見積もってみたら、大事なことが2つわかりました。

落とし穴①:「31日の壁」

ネットの即時申込は、多くが「保険期間31日まで」。47日の旅では、そのままだと申し込めません。47日は「32日以上(長期)」プランで入ります。ソニー損保のように、32日以上はネットで申し込めない会社もあるので注意です。

落とし穴②:ファミリープランは不要

大人はカードでOKなので、家族全員を入れる「ファミリープラン」はもったいない。「個人プラン・子どもを被保険者・32日以上」で選ぶのが、いちばん無駄がありません。

実際の見積もり(子ども1人・治療救援メイン)

プラン治療・救援費用期間保険料(1名)
ソニー損保(カスタマイズ)1億円31日まで(参考)15,030円
損保ジャパン off!(救援なし)治療2,000万31日まで(参考)22,900円
AIG損保 LW52,000万円47日OK35,780円
東京海上日動 T23,000万円47日OK64,220円
東京海上日動 S2無制限47日OK76,500円

すべて1名分。子どもの年齢や時期で変わります(見積もり例)。31日プランは47日には使えないため、あくまで参考です。

見積もり・申込はこちらから(AIG損保 海外旅行保険東京海上日動 個人の長期(32日以上)たびとも(HS損保)無制限)。

もし入るなら(無制限は要らない)

仮に民間に入るとしても、「無制限」は要りません。カードで子どもに治療250万・救援250万の下支えがあるので、治療・救援2,000万もあれば十分。その前提なら、47日で使えるなかでは AIG LW5(2,000万・35,780円/人)がいちばん割安でした(子ども2人で約71,560円)。

それでも、我が家は「カード付帯だけ」で行くことにしました

ここまで調べて、我が家が出した結論は「カード付帯保険だけで行く」でした。少し意外かもしれません。理由はこうです。

調べる前は「子どもだけでも民間に入ろう」と思っていました。でもカードを調べると、子どもでも治療250万円・救援250万円がある。そして、ニュージーランドで幼児がこの250万円を超えるケースは、じつはかなり限られると分かってきたのです。

「250万円超は稀」と判断した3つの根拠

  • NZには「ACC(事故補償制度)」がある。観光客や子どもでも、転倒・スポーツ・交通事故など“ケガ”の治療費は公立病院で補償されます(※病気・医療搬送は対象外)。子どもは“ケガ”が多いので、いちばん高額化しやすい部分が、そもそも守られています。
  • 費用の目安は「100万円前後」。海外旅行保険の治療・救援費用データ(ジェイアイ傷害火災)では、高額になるのはハワイ・北米が中心で、その他の都市はおおむね100万円前後。250万円超は一部の事例です。
  • 幼児は高額事故が少ない。高額事故はシニア(65歳以上)に集中し、その発生率は65歳未満の約8倍。若い世代ほど、高額医療のリスクは低い傾向です。

(出典:ニュージーランド ACC(事故補償)ジェイアイ傷害火災 2025年度 海外旅行保険事故データ

ニュージーランドの「ACC」を、もう少し詳しく

ACCは、ニュージーランドの国の事故補償制度。旅行者でも、NZ滞在中の“事故によるケガ”なら、公立病院での治療費が補償されます。たとえば、登山中に足を滑らせて骨折。そんなケースも対象です。カバーされるもの・されないものは、ざっくりこう。

カバーされる(ケガ・事故)カバーされない(病気など)
骨折・捻挫・切り傷などの外傷風邪・インフルエンザ等の病気
スポーツ中のケガがん・心臓病などの病気
交通事故のケガ精神疾患(外傷後ストレスを除く)
仕事中のケガ・職業病加齢による身体の衰え
性的暴力によるケガ歯科(※事故によるケガは対象)

ポイントは「ケガ(事故)はカバー、病気(疾病)はカバーされない」。子どもは、風邪より転んでケガをすることの方が多い。つまり、いちばん心配な“高額になりうるケガの治療”が、ニュージーランドでは国の制度でカバーされるわけです。(※医療搬送や帰国費用はACCの対象外。そこはカードの救援者費用が受け皿になります。)

もちろん、病気の重症化や医療搬送で、数百万円以上になるリスクがゼロではありません。でも、その確率と、保険料(子ども2人で約7万円)を天秤にかけたとき、我が家では「カード付帯だけで行く」という選択も十分にありだ、と感じました。

保険は本来、「人生が変わるような損失」に備えるもの。今回はその確率と保険料を天秤にかけて、カード付帯保険を信頼することにしました。

(※これはあくまで我が家の判断です。リスクの受け止め方は家庭ごとに違うので、「心配だから入る」も、もちろん正解。この記事が、あなたが決めるための“判断材料”になればうれしいです。)

まとめ

・保険にずっと無縁だった我が家も、子連れ47日でついに検討。まずはカードから

・大人(本人)は、カード2枚(プラチナ+ゴールド)の“合算”で治療450万・救援600万・死亡最高5,000万まで

・妻(家族カード)も、本会員と同じ補償

・ただし「利用付帯」=出国前後の交通費などを、そのカードで払うのを忘れずに

・子どもも家族特約で治療・救援が各合算約250万円と、思ったより手厚い

・民間も調べたが(もし入るなら AIG LW5で2人約7万円)、NZのACC・費用データ・年齢を踏まえ、確率と保険料を天秤にかけて、我が家は今回、カード付帯だけで行く予定

・保険は「人生が変わる損失」に備えるもの。判断は家庭ごと。この記事はその“判断材料”に

すべての記事を見る